おもてなし慣れしてる人

世の中にはおもてなしに慣れている人がいる。

それは単に自宅に友人を呼ぶことが多いというわけでもない。
ぼく自身が全く人を招くことが得意でないのだから痛感しているのだけど、やっぱり慣れている人というのは、細やかな気配りができていたり、その人の家になにかしらの居心地の良さがあったりする。

思えば子どものころからそうだった。
学校から帰って来てすぐに行く友達の家は、ゲームがたくさんあって、その子のお母さんがやさしかったり、おやつをいただけたり。
子どもの頃の感性ではそういった要素に居心地の良さを感じていた。今では違う視点で居心地の良さを感じるけれど、でもホッとする空間であったり、時間を忘れたり、帰る時にはまだここにいたいと思わせるそんな共通項は今も昔も何も変わっていない。

例えばおもてなしマニュアルみたいなものが用意されて、
「おかわりをいつでも注げるように周りの人の飲み物は気にかけましょう」とか、「おもてなしの料理は色とりどりのものを用意しましょう」、「手土産その場でみんなでシェアしましょう」みたいに細かく指示されたとして、すべてを実行したところで、正直ぼくがおもてなし上手かと言われればまったくそんな気にはならないだろう。

言語化できないところにおもてなしのうまさがあって、言語化できるものをいくら積み上げてもそこにはたどり着けない気がしている。

だからこそおもてなしに秀でた人を見れば、ぼくは羨望の眼差しで見ることが多い。自分が持っていない、今後も持ち得ないであろうものを持っているようで。